ダマスクローズ

南モロッコのサハラ砂漠に近い荒野を突き抜ける一筋の道。

カスバ街道と呼ばれるこの道沿いに、青々とした緑あふれるダデス谷のオアシスがあります。この谷では、毎年4月下旬から5月上旬ごろに自生したピンク色のバラが一斉に道の両端を美しく彩り、絵に描いたような美しい光景からか、別名『バラの谷』と呼ばれています。

このバラの谷一面に咲く美しく可憐な「ダマスクローズ」は100％野生種。原種に最も近い形で今に伝わっているのです。

人里離れた山あいの谷に咲く、生命力あふれるモロッコのバラの特徴は、何といっても香り。合成香料のバラの香りの華やかで甘い香りに対し、天然のモロッコ産ダマスクローズの香りは、優しく爽やかなのが特徴です。

1年のうち、4月～5月のわずか2～3週間だけモロッコの谷に咲き乱れるバラは、朝早く農家の女性が総出となって香り立つバラのつぼみを、丹精込めて摘み取ります。

地元の人たちの手でていねいに摘み取られた後、昔ながらの方法でローズウォーターやエッセンシャルオイルとなり、古くから地元の人々のスキンケアとして用いられていたのです。

優雅な香りを放つ天然香料として、また美肌に導くエッセンスとして古くから珍重されてきたローズ。とりわけモロッコ産のダマスクローズは世界でも屈指の高品質と香りで、モロッコ女性の美容に役立ってきました。「ローズ ド マラケシュ」「ヴァレ ド ローズ」には、伝統的なモロッコ式水蒸気蒸留法で抽出した花の雫（蒸留水）やエッセンシャルオイル（精油）などを贅沢に使用しています。